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長唄三味線その1 ゴールは遠く、果てしなく

更新日:2021年3月7日

過去のものの良さを勉強して 知るようになって 自分のものにして 自分がそういうものから 特別な愉しみを得ること 伝統は時々隠れている 見えなくなる しかし流れている 続いている それは日本のいちばんの魅力だ ドナルド・キーン NHKスペシャル 私が愛する日本人へ ~ドナルド・キーン 文豪との70年~ より

長らくご無沙汰いたしました。 およそ5か月の沈黙を破り、「おけいこの時間」シーズン5がいよいよスタートしました。 先週予告した通り、今回我々が挑むのは長唄三味線。 私、ここん管理人Mにとって三味線という楽器は、和のおけいこの本丸といいますか、ずっと片思いしていた本命といいますか、「いつかは三味線」と長いこと心に秘めてきた対象であります。

満を持して、その三味線に、いざ!

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「芸談もいっぱいありますよ~」と栄八郎先生。我々、芸談は大好物です!それを聞かせていただくのも楽しみすぎます。


教えを乞うのは、数々の歌舞伎公演や舞踊公演の地方としてもひっぱりだこの長唄三味線の名手・杵屋栄八郎(きねや・えいはちろう)先生。花街の料理屋さんの家に生まれ、物心ついたときにはもう三味線を弾いていたそうで、若い頃から天才と言われた実力の持ち主です。

おけいこ参加者はここんメンバー4名とゲストメンバー2名の計6人。みな、三味線に触るのはこれが初めて、というザ・素人です。おけいこ期間は半年間。さて、半年でどこまで行けるでしょう?せめて1曲、できれば2曲くらい弾けるようになりたい…。そしてそれを宴会芸としてどこかで披露したい…夢は膨らみます。

簡単な楽器でないことは承知していました。唄や踊りより形になりにくいだろうなと想像もしていました。でも、心のどこかに、もしかしたら意外とすんなりいっちゃうんじゃない?私が三味線を選んだように、三味線も私を選んでくれて、トントン拍子な展開になっちゃったりして…?なんて妄想、否、淡い期待がなかったと言えばうそになります。

だけどそんな期待は開始3分で完膚なきまでに打ちのめされました。三味線と私の運命の出会い的なドラマティックな展開は起こるはずもなく、初日のこの日は、撥の持ち方、三味線の構え方、楽譜の読み方で1時間半が終わってしまいました…。ちーん。

我々の三味線を調弦してくださる栄八郎先生。こんな所作もいちいちかっこよくて、その手際の良さに惚れ惚れ。

クレーンゲームのように真上から手を下ろし、撥を握ります。こんな一見簡単そうに見える一つ一つが、言われた通りにやっているつもりでもなかなか正解に至りません。



過去のものの良さを勉強して 知るようになって 自分のものにして 自分がそういうものから 特別な愉しみを得ること


「おけいこの時間」の魅力は、冒頭のキーンさんのこの言葉に尽きます。この先にどんな「特別な愉しみ」が待っているのか。

それを思うだけで、明日への活力が湧いてくる気がするのであります。 (ここんM)

 

楽器協力:株式会社SEION 稽古場協力:穏の座


「おけいこの時間」アフター











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