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長唄三味線その3 先生を振りまわし、三味線に振りまわされ

更新日:2021年3月7日

前回&前々回のお稽古レポートをご覧になってお気づきかもしれませんが、 先生の装いは着物から洋服になりましました。

なにせ、このお稽古場は、 先生1人VSスーパー・ド素人6人!

「もうちょっと肩を下げて」 「バチの持ち方気をつけて」 「肘はもう少し出して」 「棹が下がってるよ」

ひとりひとりを回ってとっても丁寧に指導してくださるので、 立ったり座ったりもう大変なわけです。


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ひとりひとりの細かいクセを瞬時に見抜いて形を修正していく栄八郎先生。

「とにかく構えがきちんとできないと、速いテンポになった途端弾けなくなりますからね。」


普段はお着物で教えることが多いそうですが、 手間のかかる私たちのために、わざわざお洋服でいらしてくださっています。

先生、あっちへこっちへ振りまわしてゴメンナサイ…私たちがんばります!

さて、お稽古もいよいよ3回目&4回目。 いまだに三味線を構えるだけでヒーヒーいっておりますが、 お稽古期間は6ヶ月。前進してゆかねばなりません。

最初の曲は『宵は待ち』。 初心者の練習として最初に用いられることが多い曲とのこと。


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楽譜は三本の糸を表す線と、絃を押さえる位置に対応する番号、それをどの指で押さえるかなどが書かれています。『宵は待ち』の楽譜、初心者でも解読できました!これからもっと複雑な楽譜になるんだろうなぁ…


歌詞を見てみますと、

愛しい人と一夜を過ごした翌朝、別れの時が近づいている。朝を告げる鐘の音を聞きかせたくない…

というような、ちょっと色っぽくて切ない歌詞です。

もちろん、そんな情景を表現する余裕など私たちにはありません。 楽譜のしめす通り、ひたすらに絃を押さえ、バチを振るのみ。

「では、演奏してみましょう。」という先生の声で、 一斉に三味線を構えると、空気がピリっと引き締まります。

目で楽譜を見、 耳で音をチェックし、 肘と太ももで三味線を支え、 左手は絃と棹を押さえ、 右手首を軸にバチを振りおろす…

からだの中心に抱えた三味線に、全神経を集中!!


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…が、楽譜ばかりを追いかけるとバチが空振り、 バチを絃に当てようと集中すると、左手の棹がさがる。 棹をあげて、絃を目で追うと、楽譜を見失う…

もう構えも演奏もぐっちゃぐちゃや~(半狂乱) 2分間。ただただ三味線に振りまわされて終わりました。 正座して演奏しているだけなのに、息まであがっちゃうし…

しかし、この脳みそフル回転状態から解放された瞬間の気持ちよさ! なにひとつ上手にできなかったのに、 「あぁ、楽しい…」と、ゼェゼェしながらつぶやいてしまいました。

こんな状況ですが、 次回のお稽古から早くも新しい課題曲に挑戦することが決定!

メンバーも予想しなかったハイペースですが、 先生によるデモ演奏の音源もゲットし、 ますますやる気に火が付いたところで今回のお稽古は終了。

さて、お稽古からの帰り道。 同じ方面の電車に乗り込んだここん女子4名は、 左手の爪を見せ合いながら、 「それいいねぇ」「え、ちょっと見せて見せて!」と盛り上がっています。

決しておしゃれネイル自慢をしているわけではありません。

「いかに三味線の絃を押さえやすく爪のカタチを整えるか」について、 アツ~く議論し合っているのです。

三味線の絃は、ギターのように指の腹でギュッと押さえるのではなく、 指先の爪でやさしく押さえる感じ。

初回のお稽古で「爪をヤスリで平らに整えておくと絃を押さえやすい」と聞いた ここんメンバーは、毎度その日の爪をどのくらい短くしてきたか、 どんな具合に削ったか、報告し合っているわけです。

中には、さらに糸を押さえやすくしようと爪にくっきりとV字の溝をつけ「逆に弾きにくかった」と反省していたり、 「今日上手く弾けなかったのは爪が長すぎたからだ」と すべてを爪のせいにしたりするメンバーもいたとかいなかったとか…

(ここんゲストメンバーM)

 

楽器協力:株式会社SEION 稽古場協力:穏の座

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