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長唄その1 邦楽フリーダム

更新日:2021年3月7日


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お教えいただくのは、朗々たる美声でお若いながら様々な舞台に引っ張りだこの、長唄唄方・今藤政子(いまふじ・まさこ)先生。京都まで舞妓さんにお稽古をつけに行ってらっしゃるという、ステキすぎる先生の門を、いつもながら畏れ知らず叩いちゃいました。

 

≪そも、長唄とは?≫ 歌舞伎のBGMとして発展してきた三味線音楽の一つです。正確には「江戸長唄」といって、「粋」「いなせ」などの江戸気風モリモリで、唄・三味線をベースに、多くの場合囃子を伴い、明るくリズミカルな曲調が特徴的。その名の通り1曲が比較的長く、バラードのように唄いあげる部分あり、三味線のソロ弾きをベンベン聴かせる部分ありと、かなりロックでグルーヴィなクールミュージック(私感)。三味線音楽の中では、愛好者がダントツに多いようで、現代の私たちが一番入り込みやすい音楽ではないかと思うのです。

 

★唄本萌え~

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★2mの幸せ 話をお稽古に戻すと、『供奴』。 政子先生曰く、これを選んだ理由は「発散系」だから(笑)。 まずはどんな曲か、先生にお手本を見せていただきました。 が、第一声でビックリたまげた!! 舞台上での先生の唄声を何度も聴いていますが、こんなに大きな声が出ているとは。しかも、もちろん本番用の声とは違うわけで。驚きをそのまま先生に伝えると、「ここは広くないし、反響するからでしょうね~」と。まぁ、確かにそうなんでしょうけど、でもでも、さらっと唄っている風に見えて、出てくる声の強さはやはり玄人の迫力! 1日目から早速、本格的鳥肌デトックス。 これまで、どのお稽古企画でもつぶやいていますが、本物をわずか2mの距離で感じられる幸せは、伝統芸能のお稽古ならではだと思います。バレエとかピアノとか、システマティックな体制を整えた街のレッスンプロがたくさんいるのも大切ですが、ステージプロがステージプロのまま素人にお稽古をつけることができるお稽古文化を、無くしたくない! Viva和稽古。ホント。

★奴さんたら・・・

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★遠泳、自由形。 ということで、先生の三味線(これがまた素敵☆)に合わせてお稽古開始。 ご覧のとおり唄本には歌詞と三味線の「チン ツン テン」というよくわからない暗号が載っているだけ。先生の唄を聴き取って、音をどう上げるか、下げるか、伸ばすかは、自分の感覚で書き込んでいくようです。先生曰く「譜面にしていくのは、ご自分でね」と。この自由さも伝統芸能らしさ。ところが、何をどう書いたらいいかさっぱりわかりません。とりあえず棒線やニョロ線で適当書き込んでみたものの、次に唄っても自分の書いた記号がよくわからず。完全迷い子…。まるで救命胴衣を着けて大海原に放り込まれる感じ?「ほい、やってみな」っと。 でも、ここでアップアップする感じも、実は嫌いじゃない(笑)。 それ以上に良いのは、個人への信頼が根底に流れている教え方。政子先生が、西洋音楽との対比の中で、邦楽の教授法が確立されていないことについて話してくれました。つまり、邦楽は「あなたの方法で、あなたが一番いいと思うやり方で掴めればいいんだよ」っていうスタンスであると。 この力加減。柔らかさ。懐の深さ。ある意味、スローライフ。Viva、長唄。 伝統という大海の中で、とりあえず安心してアップアップしてみます!(ここんK)


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