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能楽その2 無心に「謡う」

「はぁ~な~もぉ~えぇ~るぅやぁ~ さーあぁ~か~ず~き~の~ぉ~」 あーー、鼻歌が気持ちいいっ! お風呂でも自転車でも陽気に謡います。 カラオケなんかと違って、身体に声を響かせてお腹から声を出す感覚。 この生まれて初めての感じ。気持ちいい!

これが「歌う」じゃなくて、「謡う」なんですねぇ。 しかも、歌詞(能楽では詞章と言います)もウキウキしてきます。 なんせ、「花も酔へるや盃の」ですよ。 先生から教わったわけではありませんが、私の妄想では、 「暖かな陽気の中、はらはらと散る桜の花びらも酔ってしまうほどの、

美しく楽しい酒宴の席」 なんです。あぁ、お酒が飲みたくなる。。。

そんな調子で、第3回目のお稽古となりました。 録音した音源を50回ぐらい聞いて(えらい時間かかった…)、 2分ほど(?)の謡は最後までだいたい覚えました。

正座に弱い私は、正座イスをそそとお尻に敷いて、さあ大好きな謡のお稽古です。 いつもは緩んでいる腰をピンと伸ばし、扇を持った両手をももの上に軽く乗せ、

まっすぐ前を向きます。 お腹に空気を入れて、先生の謡い出しと共に、「花も酔へるや盃の~」。

何も考えず、ただまっすぐ前を向いて、ただまっすぐお腹から謡います。 普通に生きていて、こんなに無心にまっすぐになれること、あまりないな。 「何時までにこれをして」とか、「こっちの方が早く行ける」とか、

「あの人はこう思うかな」とか、 いつもいつも計算したり解釈したり。 そんなのをぜーーーんぶ忘れて、身体から出る声を目の前の壁にぶつけるように。 ちょっと大げさかもしれませんが、魂が浄化される、そんな感覚がします。

一方、仕舞のお稽古は、ついていくのに必死。 先生を追って、自分の動きに迷って、「えーと、右で、左で…」。

あれ?やば!煩悩だらけ。 声のコントロールに比べて、身体のコントロールに慣れていない私は、 無心で仕舞を…となるには、まだまだ時間がかかりそうです。

(by ここん管理人4号)

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