「本屋B&B」は、ビール片手に本が選べるという、一風変わった店だ。レジカウンターには当たり前のようにドリンクメニューがあり、その後ろにはドリンクサーバーが設置されている。B&Bはつまり、Beer&Books。本屋のような、バーのような、そんな空間。
この本屋さん、特筆すべきはビールだけじゃない。なんと毎日何かしらのイベントが行われている。売っているのは本とビールと、そしてこの空間でしか得られない体験。
書店でのイベントは特に珍しいことではないけれど、毎日っていうのはちょっとすごい。多くは著者を招いた刊行記念イベントだが、英会話レッスンや編集塾みたいなのもある。そして、伝統芸能関係のイベントもある!
直近では、こちらの二つ。
■基礎から学ぶ伝統芸能「神楽」~前編 星の神・宿神に祈る舞―銀鏡神楽~ 2015年10月19日(月)20:00~22:00 日本の神話を旅する写真家・赤阪友昭さんによる、日本の伝統芸能「神楽」をテーマにしたお話会。前編・後編の2回にわたるイベントで、前編は神楽の基礎や銀鏡神楽(しろみかぐら)の特徴を写真や音で紹介しながら、日本に残る古(いにしえ)の記憶を知るというもの。 銀鏡神楽は、宮崎県内の神楽で初めて国の重要無形民俗文化財に指定されたもので、高千穂神楽や椎葉神楽と並んで宮崎県を代表する神楽の一つ。星の神に祈りを捧げるところが特徴だとか。 詳細はこちら。
■辰巳満次郎×とこわかの会 「平成寺子屋 能楽 B&B 」 2015年11月13日(金)20:00~22:00 能の台本「謡本」で読み書きを習った寺子屋の平成版。能楽師の辰巳満次郎さんがわかりやく能の楽しみを伝え、原文を読み解くというもの。「さらにB&Bの本を使って、即興謡も飛び出します」とあるが、はていったいどんな展開になるのやら…? 詳細はこちら。
どちらも開始20時からとゆったりなので、会社勤めのひともラクラクなところがうれしい。参加費1500円+500円(1ドリンク)というお気軽価格も魅力。 シモキタの猥雑な裏通りの片隅で、「ビール&伝統芸能」、略してB&D。 仕事終わりにふらりとB&D。 いかがでしょ?
この本屋さん、棚のつくりもやっぱり面白い。日本の伝統文化系の棚はこんな感じ。この規模の書店で、このジャンルが、この冊数あるのは珍しい。以前、とある大型書店の、わずかに取られた伝統芸能の棚に、落語と歌舞伎の本しかなかったときの寂しさといったらなかったもんなぁ。
※店内の写真はお店の許可を得て撮影したものです。
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