8月。舞台公演も夏休みといった感じですが、秋のシーズンに向けて、いくつかご紹介します。そして、舞台がお休みならストリートへ行こう!芸能を核としたおススメのお祭り情報も。
――<能楽>――――――――――
★The Noh
国立能楽堂開場35周年記念公演 翁・井筒・乱
日時:9月5日(水)13:00開演
場所:国立能楽堂
料金:正面9800円 脇正面7700円 中正面6700円
⇒詳細
この35周年記念公演は、9月の1ヶ月間に計5日間、現在の能楽界を牽引する実演家による公演が毎週予定されています。能楽好きな人も、能楽にはまりかけの人にもお薦めの公演です。全ての回がお薦めですが、中でも5日の公演は記念公演の幕開けということで、これぞ”祝いの能”という代表作が揃った公演です。会場以来35年ぶりに「松竹風流」が上演されるそうですよ。風流とは翁は翁でも祝言性が濃い演式のことだそうで、上演されること自体が珍しいんだとか。
★プレミアムフライデーは代々木能舞台で
「小袖曽我」小早川泰輝 小早川康充
日時:9月28日(金)19:00開演
場所:代々木能舞台
料金:一般前売り4500円 当日5000円 学生2000円
⇒詳細
以前、ここんでもご紹介した代々木能舞台。屋外と屋内がゆるやかにつながり、一度はここで能を見てほしい場所です。折しも9月の公演はプレミアムフライデー。飲みに行くのもいいけれど、ときにはひっそりとお能を見るのもいいものです。きっとこの頃には少しは暑さも和らいで、夜は虫の声なども聞こえてくるかもしれません。季節の移ろいを感じながら能を鑑賞できる都内では唯一無二のプレミアムな空間でプレミアムな金曜日を、ぜひ。代々木能舞台についてはこちらの過去記事も併せて参考にしてください。 ――<邦楽>―――――――――― ★気になる箏曲の人 第二回 日吉章吾 さん曲の会 日時:9月30日(日)14:00開演 場所:三鷹・六瓢庵 料金:2,500円(自由席) ⇒詳細
箏曲に馴染みの薄い私は、正直に申し上げると長年「どの曲もどの方の演奏も全部同じに聞こえる。ましてお箏だけの演奏を聞こうものなら100%眠くなる自信がある・・・」という大変失礼な状態だったのですが、ここ数年、唄や三味線を目当てに地歌の演奏会へと足を運ぶうちに、「あ、この箏は好きだ」と思える方が少しずつ出てきました。そのお一人が若手の箏曲演奏家・日吉章吾さんです。一音一音に力があって、演奏が始まるとふっと耳が吸い寄せられるような気がします。昨年開かれたこの会の第1回目では、日吉さんの三絃の弾き歌いを数曲聞かせて頂いて、六瓢庵さんのお座敷に柔らかな音色が響くとても良い時間でした。今回は待望の二回目。得意とされる箏の演奏もあり、また一段と楽しみです。
★ときには素浄瑠璃でも 文楽素浄瑠璃の会 日時:10月20日(土)13:00開演 場所:国立劇場小劇場 料金:5000円 学生3500円 ⇒詳細
そんなにたくさんの公演に足を運んでいるわけではないですが、人生で忘れられない舞台の一つに素浄瑠璃の公演があります。太夫は物語の人物の心情を一滴も余すところなく語り、聞いていた私の感情はそれに同期し、泣けて泣けて仕方がなかった。それは不思議で強烈な体験でした。そんな瞬間はめったには訪れない。同じ演者でも全く同じ公演は二つとしてない。けれどもそれを知ってしまって以来、常にそんな瞬間を期待して公演に足を運ぶようになってしまいました。 人形がいない素浄瑠璃は少しとっつきにくいかもしれませんが、視覚にとらわれない分、もしかしたら物語の輪郭が鮮やかに立ち上るかもしれません。東京で素浄瑠璃が聴ける機会はそんなに多くないので、この機会に足を運んでみては。
★なかなかうまい幕の内公演
明治150年記念
舞踊・邦楽でよみがえる 東京の明治
日時:10月6日(土)14:00開演
場所:国立劇場小劇場
料金:5,500円(自由席)
⇒詳細
多彩なジャンルの邦楽をシナリオに乗せて紹介するシリーズ公演で、これが毎年なかなか面白い。公演全体がストーリー仕立てで、いろいろ出てくるので飽きずに見れちゃう、いい感じの幕の内公演です。初心者にもおすすめ!今年が明治元年(1868年)から満150年の年にあたるので、今回は明治がテーマらしい。日本の伝統文化がドラスティックに形を変えていった時代、その変化を感じられる公演になるのかしら?日本舞踊も粒揃いのメンバーで楽しみ。8月11日発売。即完売、要注意~!
――<祭り>―――――――――― ★祭りの8月。DNAの目覚めを! 唄も踊りも、もともと民のもの。祭りでも神事でも、日本人ほど“芸能”が好きな民族も珍しいらしい。伝統芸能はステージで見るだけじゃない!お祭りで、あなたの芸能好きなDNAを目覚めさせよー!
〇1~4日 踊りは祈り「盛岡さんさ踊り」(岩手県)
ショーアップされた踊りは正直つまんない。でも、伝統踊りを受け継ぐいくつかの団体は、祈るように静かに、激しく踊る。すごくいい。(白い花笠を被った「仙北小鷹さんさ踊り保存会」とかおススメ!)
〇13~16日 朝まで踊ろう「郡上おどり」(岐阜県) 1か月程、地域の各地で行われる郡上おどり。特にこの期間は「徹夜おどり」として、本当に朝まで踊ります。誰でも参加OK。浴衣で、下駄を鳴らして、無心になって、踊り明かす。とにかく気持ちいい。フェスとか不要!
〇8月一杯 いろんなところで踊ろう「阿波踊り」(徳島県、ほか)
本場徳島は12~15日。いろいろゴタゴタしてますが、やっぱり本場は空気が違う。ショーアップされた大通りのパフォーマンスもそれなりに楽しいけど、路地裏で、ただ踊りたくて踊っている民がいる。踊り大好きな我らがDNAを体感せよ!徳島まで行けなくても、関東あちこちで8月一杯やってるので、今年こそは見るだけじゃなく、ぜひリズムに身を任せてみては!
〇15~16日 こんな祭り、知ってた!?「山鹿灯籠祭」(熊本県) 1000人の乙女たちが、頭に灯篭をのせて輪になって踊る。シュール!圧巻!
〇全国各地の盆踊りで、踊ろう、踊ろう!
――<みなさまからお寄せいただいた公演情報>―――――――――― みなさまからお寄せいただいた公演情報です。 ありがとうございます! 引き続き情報をお待ちしております!!
第45回古典芸能鑑賞会 日時:2018 年 9 月 30 日(日) 17:15 開演(16:30 開場) 21:00 終演予定 場所:NHK ホール(東京都渋谷区神南 2-2-1) 料金:S 席:9,500 円、A 席:65,00 円、B 席:4,000 円、C 席:2,000 円、D 席:1,000 円 (いずれも税込) 前売り開始:8月6日(月)午前10時 ※未就学児の同伴・入場不可
⇒詳細
普段は、それぞれでしか観ることが出来ない浄瑠璃、長唄、歌舞伎などを1つの公演で観ることが出来、また、それぞれ人間国宝などトップクラスの演者が出演いたします。
今回の『第 45 回 NHK 古典芸能鑑賞会』では、第 1 部を“至芸競演”と題し、筝曲(御代万歳)、義太夫(傾城恋飛脚新口村の段)、舞踊(長唄「木賊刈」/清元「鳥刺」)を、人間国宝をはじめとした豪華な顔ぶれで披露します。
第 2 部は歌舞伎「源平布引滝実盛物語」を上演。今年1月に襲名した十代目・松本幸四郎による斎藤実盛をはじめ、小万に中村壱太郎、葵御前に上村吉弥、九郎助に松本錦吾、瀬尾十郎に中村亀鶴と、華やかな顔ぶれでお届けします。
Comments