あの名人の芸に間に合いたかったな、という人は枚挙に暇がありません。 ギリギリ間に合った人でも、脂の乗り切った最盛期には間に合わなかったな、ということも。
芸能は当然ながら人に属しているので、その人の持つ芸はその人を通じてしか体現されない。 運良く同じ時代に生き合わせて、その芸に出会えなければ知ることのできない世界です。
それは出会えるまでずっと待っていてはくれません。 うかうかしている間に、悲しいかな、名人は一人また一人と世を去っていってしまうのです。
ま、過去を振り返っても仕方ないので、今のうちに出会っておくべし、というお方をご紹介します。 女流義太夫の人間国宝・竹本駒之助様。 駒様の義太夫を聞くべし。
女流義太夫は文楽と同じ義太夫節ですが、人形はありません。 視覚的イメージがなく、太夫による語りと三味線だけです。 でもそこに鮮やかに物語世界が立ち現れ、そのうねりにすっぽり飲み込まれ、 自分が舞台を見ているという実感が薄れる。 そんな不思議な感覚に襲われることがあります。 これはちょっとした奇跡ではないかな、とすら思います。
そんな奇跡を体験しに。いざ。
KAAT竹本駒之助公演、第五弾
『鎌倉三代記』八ツ目切「三浦別の段」
2015年10月31日(土)
2015年11月1日(日)
両日とも14時半開場、15時開演
場所:神奈川芸術劇場
料金:4,000円(全席自由)
チケット発売開始2015年07月26日(日)
【出演】 竹本駒之助(たけもと こまのすけ/太夫) 鶴澤津賀寿(つるざわ つがじゅ/ 三味線)
その他詳細はこちら。
Commenti