下着メーカーの老舗、ワコールが運営している表参道のアートセンター「スパイラル」。 ここでは美術展やパフォーマンスなど様々なアートプログラムに出会うことができますが、なかでも異彩を放っているのが、毎年開催されている「スパイラル聲明コンサートシリーズ」!
聲明(しょうみょう)とは、僧侶がお経に節をつけて歌う仏教音楽のひとつで、その歴史は1200年前にもさかのぼります。現代ではそれ自体がひとつの芸術として注目されるようになり、寺院以外でも上演されるようになりました。
ちょっと高尚で、近寄りがたいイメージがあるかもしれませんが、ここは東京のおしゃれスポット、表参道。古典曲とともに、気鋭の音楽家による聲明のための新曲が披露されるなど、親しみやすい内容になっています。
そして、僧侶による聲明を「聴く」のではなく、観客自身が、僧侶とともに、めくるめく聲明ワールドに迷い込んで行けるような仕掛けも用意されています。
今回のコンサートでは、スパイラルの建物を象徴する螺旋状のスロープが、海の底に届く回路に見立てられ、観客はさながら深海にうごめく小さな生き物。そして僧侶たちの発する声は、海底から立ち上がる生命の息吹のよう。
声は幾重にも重なり、層をなし、私たちはその巨大なエネルギーの中にのみこまれていくことでしょう…
聲明が生み出す倍音のうねりに身をゆだねていると、次第に時間や空間といった概念から解放されて、異世界へと誘われることがあります。そしてそこから目覚めると、妙に心も体もにスッキリとしているもの。
「瞑想」とか、そういう感覚に近いのかもしれません。
都会のど真ん中で体験できる、めくるめく聲明ワールド。2016年の幕開けを、こんなコンサートでスタートするのはどうでしょうか。
チケットは現在発売中。
公演の内容など詳しくはスパイラルwebサイトまで。
スパイラル聲明コンサートシリーズvol.24 「千年の聲」
螺旋曼荼羅海会
■日時:
1月9日(土)20:30開演(20:00開場)
1月10日(日)20:30開演(20:00開場)
■会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
■料金:前売 4,300円/当日 4,500円
■お問い合わせ先:
NPO法人魁文舎[KAIBUNSHA] TEL 03-3275-0220
スパイラル TEL 03-3498-1171(代表)
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