それは、“ゴムゴムの実”を食べて、体がゴムのように伸び縮みするようになっちゃった少年が海賊王を目指す漫画。 …なんじゃそりゃ!
国を超えて、今や世界中で読まれている大人気漫画「ワンピース」。
漫画といえば、なにはなくても「サザエさん」で育った私。
キャラクターは目にしたことはあれど、ストーリーは全く知りませんでした。
そのゴム少年の物語が歌舞伎になると知り、
それなら原作を読んでから観に行こうかと思いましたが…え?80巻近くある。無理だ。
ということで、昨年10月、 前知識ゼロでスーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」を観に行ってきました。
幕が開いてビックリ!
主人公以外の登場人物も、魚人やガイコツ、 はたまたトナカイ人間だったりと総じてぶっ飛んでいるのですが、 物語もしかり、大きな熊に襲われて、はるかかなたの大陸に投げ飛ばされたり、 ジンベエザメの魚人の背に乗って海を渡ったりと、 それはそれは、もうハチャメチャのてんやわんや!
しかし、待てよ。
この「なんでもアリ」の世界観。
それこそ歌舞伎なのでは!?
そう。
歌舞伎こそ、動物の化身やら、魚人だって出てくるし、 傘をさしながら空中散歩もすれば、妖術を使って雲の上を歩いたり、 海の中に住む一族がいたり…と、まさに「なんでもアリ」なのでした。
今でこそ「敷居が高い」なんて言われていますが、 もともとは大衆のための娯楽だった歌舞伎。
先人たちは奇想天外な物語や演出を寛容に受け入れ、 時代に合ったエンターテイメントとして磨いてきたのです。
この土壌があるからこそ、一大スペクタクル「ワンピース」の舞台化が成立したのかもしれません。
客席を見渡せば、 ロビーで買ったワンピースグッズを自慢しあう男子たち、 映画を見るような感覚でやってきたカップル、 歌舞伎好きの老夫婦やおばちゃまグループ、 そしてワンピースファンの子どもに連れられてやってきたおじいちゃんまで…
期待と不安を胸に「これから一体どんな舞台が繰り広げられるのだろう」と、 それぞれにワクワクしている様子が印象的でした。
江戸時代の芝居小屋も、こんな雰囲気だったのかもしれませんね。
そんな歌舞伎本来の魅力に気づかされる話題の舞台「ワンピース」が、 3月は大阪松竹座で、4月には博多座で上演されます。 歌舞伎未体験の方でも理屈抜きに楽しめる作品なので、 お近くにお住まいの方はぜひ!
公演情報など詳細はこちらご覧ください。
スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」
大阪松竹座公演
2016年3月1日(火)〜3月25日(金)
博多座公演
2016年4月2日(土)〜4月26日(火)
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