伝統芸能の世界の魅力は様々あれど、私の場合、何にときめくってプロの方々の黒紋付姿です。 清少納言センセー風に言うなら、「演者は黒紋付。袴つきはさらなり(演者は黒紋付姿がよい。袴つきは言うまでもない)」。 人生、一度でいいから黒紋付に袴といういでたちをしてみたい。 そんな夢想をしている不届き者なのであります。
ここでちょっとうんちくをたれます。黒紋付とは黒い無地の着物に5つの紋を染め抜いた着物のこと。女性の場合、一般には黒い帯や小物を合わせて「喪服」として着用されることが多いですが、黒紋付=喪服ではなく、昔は式服として帯や小物を変えてハレの日にも着用されていたものでした。 今では喪の場以外で着用されることはほとんどなくなってしまった黒紋付ですが、伝統芸能の世界で生きる方々にとっては、この黒紋付が制服というか、正装のようなものになっています。そしてこれがめちゃくちゃカッコよくて、萌え萌えなのであります。
その黒紋付とセットになっている袴もまた、超憧れの存在。ハイカラさんのような胸高につける女袴ではなく、男性の着用する腰板のついた袴。この袴を女性でもはける唯一のおけいこ事、それが能楽なのです!
大島先生の袴姿。丹田のところで十字に結ばれた紐の形といい、腰のところでくっと上がったこのシルエットといい、様式美の極み!脇からチラリと見える角帯も萌え。
……前置きがずいぶん長くなりました。
この袴、おけいこでつける人もいるようですが、私たちはお試し入門ということでそこまでの用意はしませんでした。が、しかーし!このたび、10回のおけいこ終了後になんとおさらい会が開催される運びとなり、そこで袴をつけることになったのであります!袴は先生が貸してくださるとのこと。わおー!
憧れの袴。こんな形ではける機会が訪れようとは。 袴をはいたら、ぜひともやってみたいことがあります。 正座をしたときに両手を袴の中に入れる、あの所作。本筋とはかなりズレていますが、そういう楽しみも確かに存在する能楽のおけいこなのでありました。
おさらい会に向けて所作の練習も始まりました。
これは扇を開くときのコツを教わっているところ
by ここん管理人2号
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