今藤美佐緒さん。 京都の花街で生まれ育ち、昭和35年から30年間、宮川町の芸妓として務めた方です。 13歳のときから長唄今藤流の家元(三世今藤長十郎・人間国宝)の手ほどきを受け、 「宮川町にこの人あり」とまで言われるようになった三味線の名手。
しかしながら、その演奏を生で聴く機会は、東京ではなかなかありません。 ましてや、本人が主役のリサイタル公演は珍しい。 これはもう、万難を排し、万障繰り合わせて紀尾井ホールへ行くしかないでしょう。
演目は、「三曲糸の調べ」と「二人椀久」。 「三曲糸の調べ」は、有名な『壇ノ浦兜軍記』 阿古屋琴責を長唄にしたものです。 遊女の阿古屋が、箏(こと)、胡弓、三味線を弾く場面。 歌舞伎や文楽では楽器をそれぞれ弾き分けますが、 長唄では箏と胡弓の部分も三味線で表現します。
「二人椀久」は難技巧を要する大曲。 古希を過ぎてもなお、その腕は一向に衰えを感じさせないどころか、 他の追随を許さないと言われる美佐緒さん。 難曲も、いとも軽やかにさりげなく弾いてしまうんだろうなぁ。
それを、紀尾井小ホールで聴ける幸せ。
チケットは本日9月3日(木)10:00発売です。当日のご案内ですいませんっ!! 急げ―!!
詳細はこちら。
今藤美佐緒をきく会 2015年11月19日(木)午後6時30分開演
~芸の継承とは、ただ上手に弾けるというだけではなく、師匠からその精神をどれだけ受け取ることができたかにあります。楽譜や録音も使わない当時の一子相伝の修行のあり様は、今日とは異なる芸の受け渡しで、そこから得られたもの受け継いだものは、現在とはまた違った何かがあるに違いありません。 それを聞けるのが今回の演奏会です。~ ※公演チラシより一部抜粋。
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